富士五湖とは?5つの湖の名前・地図・違いと堀内良平の命名の由来を徹底解説
富士五湖とは、山梨県側の富士山麓に位置する本栖湖・精進湖・西湖・河口湖・山中湖の総称です。富士山を囲むように点在する5つの湖は、いずれも美しい自然景観で知られていますが、面積や水深、標高、観光の楽しみ方には大きな違いがあります。
2026年に富士五湖への旅行を計画するなら、5つの湖の名前と位置関係を把握するだけでなく、なぜ「富士五湖」と呼ばれるようになったのか、その命名に富士急行の創業者・堀内良平がどう関わったのかも知っておきたいところです。地形の成り立ちから各湖の特徴、代表的な観光スポットまで、旅行にも役立つ基礎知識を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:富士五湖は本栖湖・精進湖・西湖・河口湖・山中湖の5湖で、山梨県側の富士山麓に位置する。
- 要点2:「富士五湖」という呼称は、富士急行の創業者・堀内良平が提案し、1927年の「日本二十五勝」選定を通じて広まった。
- 要点3:最大の湖は山中湖、最小の湖は精進湖、最も深い湖は本栖湖。目的に応じて訪問先を選ぶと、富士山観光をより楽しめる。
【富士五湖とは?】5つの湖の名前と山梨県側の位置関係
富士五湖は、富士山の北側から東側にかけて広がる山梨県側の湖沼群です。富士山の噴火による溶岩流などの影響を受けて形成され、湖ごとに異なる景観や自然環境が残されています。
対象となる湖は、次の5つです。
- 本栖湖(もとすこ):富士五湖の中で最も深く、透明度の高い湖として知られる。
- 精進湖(しょうじこ):5湖で最も面積が小さく、「子抱き富士」の眺望で有名。
- 西湖(さいこ):森林に囲まれた落ち着いた景観が特徴で、自然散策にも適している。
- 河口湖(かわぐちこ):駅や観光施設からアクセスしやすく、飲食店や宿泊施設も充実している。
- 山中湖(やまなかこ):5湖で最も面積が大きく、水上レジャーや富士山の撮影スポットが豊富。
湖の所在地にも違いがあります。本栖湖は富士河口湖町と身延町にまたがり、精進湖・西湖・河口湖は富士河口湖町、山中湖は山中湖村に位置します。つまり、富士五湖は単一の市町村内にある湖の集まりではありません。
また、富士五湖という名称は5湖をまとめた呼び方であり、独立した行政区域の名前ではありません。富士山を中心とする自然景観と観光地域を理解するうえで、重要な総称です。環境省の富士箱根伊豆国立公園に関する資料でも、これら5湖が富士山北麓の湖として紹介されています。

【富士五湖の地図と場所】西から東への位置関係を整理
富士五湖の場所を地図で確認するときは、富士山の北側に本栖湖・精進湖・西湖・河口湖が広がり、東側に山中湖が位置するという大まかな配置を押さえると理解しやすくなります。ただし、5湖が一直線に並んでいるわけではありません。
西側の本栖湖から東側の河口湖へ向かうと、精進湖や西湖を経由する位置関係が見えてきます。山中湖は河口湖の東から南東側に位置し、富士山を異なる角度から眺められる湖です。
地図上の位置だけでなく、標高にも注目してみましょう。山中湖は標高約980メートル、河口湖は約830メートル、本栖湖・精進湖・西湖は約900メートルです。同じ富士五湖でも、湖面の高さには差があります。
富士五湖の地形には、富士山の火山活動が深く関係しています。富士山の噴火による溶岩流が水の流れをせき止め、湖の数や形が変化してきました。とりわけ西湖と精進湖は、かつて「剗の海(せのうみ)」と呼ばれた湖が溶岩流によって分かれて形成されたとされています。現在の湖の配置は、富士山の火山活動が刻んだ地形の歴史を反映しています。
本栖湖・精進湖・西湖の湖面標高がいずれも約900メートルであることも特徴です。単なる観光地の集合ではなく、地質や地形の面でも共通点を持つ地域なのです。
【富士五湖の由来と命名の経緯】堀内良平が広めた呼び名
富士五湖の名前の由来を語るうえで欠かせない人物が、富士急行の創業者・堀内良平です。現在では一般的に使われている「富士五湖」という呼称ですが、5つの湖をまとめて全国に紹介する動きには、富士山麓の観光開発を進めた堀内の構想が関わっています。
富士急行の公式沿革によると、1917年9月25日、東京・帝国ホテルで「岳麓開発事業創立準備委員会」が開かれました。創立筆頭委員だった堀内良平は、富士山北麓の景勝地を開発し、鉄道や道路の整備、湖畔の別荘地開発などを通じて観光地としての魅力を高める構想を示しています。
その後、1926年9月には富士山麓電気鉄道株式会社の創立総会が開催され、堀内は代表取締役に選任されました。富士山麓の交通網と観光開発を一体的に進める事業が、本格的に動き始めます。
そして、富士五湖という呼称が広まるきっかけとなったのが、1927年の「日本二十五勝」です。日本遺産関連の紹介資料によると、堀内良平はこの公募に際して「富士五湖」という呼び名を提案し、湖沼の部で第一位に選ばれたことから、名称が全国に広まったとされています。
この経緯から見えてくるのは、富士五湖という名称が単に地理的な特徴を表すだけでなく、富士山麓を一体の観光地域として発信する役割も担ってきたということです。堀内が進めた鉄道整備や観光開発と、5湖をまとめて紹介する名称は、地域の魅力を広く伝えるうえで相互に結びついていました。
なお、5つの湖そのものが1927年に初めて存在したわけではありません。それぞれの湖は古くから知られており、「富士五湖」はそれらを一括して呼ぶ名称です。湖の成立時期と、地域名としての呼称が広まった時期は区別して理解する必要があります。
【富士五湖を比較】面積・標高・最大水深で見る5つの違い
富士五湖の特徴を比較する際は、面積だけでなく、標高や水深も確認すると違いが明確になります。以下は、山梨県の地勢資料に掲載された数値を基に整理したものです。数値は資料の基準に基づくもので、測定方法や資料の更新時期によって差が生じる場合があります。
| 湖の名前 | 面積 | 標高 | 最大水深 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 山中湖 | 6.78平方キロメートル | 980.5メートル | 13.3メートル | 5湖で最大。水上レジャーやダイヤモンド富士の撮影に人気。 |
| 河口湖 | 5.70平方キロメートル | 830.5メートル | 14.6メートル | 交通アクセスや観光施設が充実。 |
| 本栖湖 | 4.70平方キロメートル | 900.0メートル | 121.6メートル | 5湖で最も深く、透明度の高い湖として知られる。 |
| 西湖 | 2.12平方キロメートル | 900.0メートル | 71.7メートル | 森林に囲まれ、自然散策や静かな湖畔の時間を楽しめる。 |
| 精進湖 | 0.51平方キロメートル | 900.0メートル | 15.2メートル | 5湖で最小。「子抱き富士」の景観が魅力。 |
出典:山梨県「地勢」。
比較すると、面積が最大の山中湖と、最も深い本栖湖では、湖の性格が大きく異なることがわかります。山中湖は広い湖面を生かしたレジャーに適している一方、本栖湖は深い水域と透明度の高さが特徴です。
河口湖は、面積や水深だけでは測れない観光上の利便性が強みです。鉄道駅やバス路線、飲食店、宿泊施設などを利用しやすく、初めて富士五湖を訪れる人にとって旅行の拠点を組み立てやすい湖といえます。
一方、精進湖は面積が小さいものの、富士山と大室山が重なって見える「子抱き富士」という独特の景観で知られています。湖の大きさと観光の満足度は必ずしも比例しません。何を見たいのか、どんな時間を過ごしたいのかによって、最適な湖は変わります。
【富士五湖の観光スポット】各湖で楽しめる景色と体験
富士五湖観光の魅力は、どの湖からも同じ景色が見えるわけではないことです。富士山の見え方や湖畔の環境が異なるため、訪問先を選ぶ段階で目的を明確にすると、旅行の計画を立てやすくなります。
本栖湖:逆さ富士と透明度の高い湖面
本栖湖は、旧千円札の裏面に描かれた逆さ富士のモデルとなった景色で知られています。山梨県公式観光情報によると、北岸からの眺望や、中ノ倉峠から望む富士山の姿が写真愛好家にも親しまれています。湖の深さや透明度を生かした水辺のレジャーも特徴です。景色をじっくり撮影したい人や、比較的落ち着いた自然環境を楽しみたい人に向いています。
精進湖:「子抱き富士」の独特な構図
精進湖の代表的な見どころは、富士山の手前に大室山が重なり、富士山が子どもを抱いているように見える「子抱き富士」です。山梨県公式観光情報では、カヌーや釣りなどのレジャーに加え、春の桜や秋の紅葉、冬の湖面の凍結も紹介されています。派手な観光施設よりも、景観そのものを楽しみたい人におすすめです。
西湖:森林と湖畔の落ち着いた雰囲気
西湖は、青木ヶ原樹海などの森林に囲まれた自然豊かな湖です。周辺の観光スポットとしては、西湖いやしの里根場が知られています。茅葺き屋根の建物が並ぶ集落では、伝統的な景観を楽しみながら、工芸体験や資料館の見学、飲食などを体験できます。自然だけでなく、日本の暮らしや地域文化にも触れたい人に向いています。
河口湖:観光の拠点として使いやすい湖
河口湖は、富士五湖観光の拠点として利用しやすい湖です。北岸にある大石公園では、湖越しに富士山を眺められるほか、季節の花々も楽しめます。初夏のラベンダーや秋のコキアなど、季節によって景色が変わる点も魅力です。周辺には飲食店や宿泊施設、文化施設もあり、短い旅行日程でも観光を組み立てやすい環境が整っています。
山中湖:広い湖面とダイヤモンド富士
山中湖は、富士五湖で最大の面積を持つ湖です。湖畔の散策や水上レジャーに加え、富士山頂に太陽が重なる「ダイヤモンド富士」の撮影スポットとしても知られています。山梨県公式観光情報によると、山中湖周辺では場所や季節によって日没時のダイヤモンド富士を狙えます。見られる時期や時刻は地点によって異なり、天候にも左右されるため、撮影目的なら事前の確認が欠かせません。
5湖を巡るなら、河口湖を観光の起点にし、時間に余裕があれば西湖・精進湖・本栖湖へ足を延ばし、山中湖も組み合わせる方法が考えられます。ただし、湖畔の景色をじっくり楽しむのか、写真撮影を優先するのか、レジャーを体験するのかによって、必要な滞在時間は変わります。すべての湖を急いで回るより、目的に合う湖を絞るほうが満足度を高めやすいでしょう。

【プロの結論】富士五湖巡りで失敗しない選び方と知っておきたい誤解
富士五湖を理解するうえで重要なのは、「5つの湖がある」という知識だけで終わらせないことです。名前の由来、地理的な位置関係、地形の成り立ち、観光資源の違いを合わせて理解すると、富士山麓という地域全体の特徴が見えてきます。
特に注意したいのは、富士五湖という呼称が、行政区分や湖の大きさによって決まったものではない点です。5湖をまとめる名称が広まった背景には、堀内良平が進めた観光開発と、1927年の「日本二十五勝」での選定がありました。地理的な総称であると同時に、富士山麓の魅力を全国に伝える役割を果たしてきた名称なのです。
また、観光先を決めるときに「最も大きい湖が最もおすすめ」「有名な湖に行けば十分」と考える必要もありません。面積や知名度だけでは、旅行者の目的に合うかどうかは判断できないからです。
- 初めての富士山観光なら:交通や飲食、宿泊の利便性を重視して河口湖を中心に計画する。
- 写真撮影を重視するなら:本栖湖の逆さ富士や、山中湖のダイヤモンド富士など、撮影したい景色から訪問先を選ぶ。
- 静かな自然を楽しみたいなら:精進湖や西湖で、湖畔の散策や森林の景観を楽しむ。
- 水辺のレジャーを体験したいなら:各湖の利用可能なアクティビティや営業状況を確認して計画する。
富士五湖は互いに近い地域にありますが、景観や観光環境は一様ではありません。目的を先に決め、その目的に合った湖を選ぶことが、効率よく充実した旅行を楽しむための判断基準になります。
【富士五湖】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:富士五湖の5つの湖の名前は何ですか?
A1:本栖湖(もとすこ)、精進湖(しょうじこ)、西湖(さいこ)、河口湖(かわぐちこ)、山中湖(やまなかこ)です。いずれも山梨県側の富士山麓に位置しています。
Q2:富士五湖という名前を付けたのは誰ですか?
A2:富士急行の創業者・堀内良平です。1927年の「日本二十五勝」公募に際して名称を提案し、湖沼の部で第一位に選ばれたことから、呼称が全国に広まったとされています。
Q3:富士五湖で一番大きい湖と一番小さい湖はどこですか?
A3:山梨県の地勢資料では、面積が最大なのは山中湖の約6.78平方キロメートル、最小なのは精進湖の約0.51平方キロメートルです。最大水深が最も大きい湖は本栖湖で、約121.6メートルあります。
Q4:富士五湖はすべて同じ市町村にありますか?
A4:いいえ。本栖湖は富士河口湖町と身延町にまたがり、精進湖・西湖・河口湖は富士河口湖町、山中湖は山中湖村にあります。湖によって所在地が異なるため、訪問先ごとにアクセスを確認することが大切です。
Q5:富士五湖は1日ですべて観光できますか?
A5:車などで5湖を巡ることは可能ですが、各湖で散策や撮影、レジャーを楽しむ場合は時間に余裕が必要です。公共交通機関を利用する場合は、各湖を結ぶバスの運行時刻や乗り継ぎを事前に確認し、訪問先を絞って計画するのがおすすめです。
まとめ:富士五湖の由来と違いを知って、富士山麓の旅を楽しもう
富士五湖とは、本栖湖・精進湖・西湖・河口湖・山中湖の5つの湖をまとめた名称です。富士山の火山活動によって形づくられた自然景観を持ち、湖ごとに面積、標高、水深、眺望、観光の楽しみ方が異なります。
「富士五湖」という呼称が全国に広まった背景には、富士急行の創業者・堀内良平の観光開発構想と、1927年の「日本二十五勝」での選定がありました。名称の由来を知ることで、富士五湖は単なる5つの湖の集合ではなく、交通整備や観光開発とともに魅力が発信されてきた地域だと理解できます。
旅行では、アクセスのよい河口湖、深さと透明度が特徴の本栖湖、「子抱き富士」が見られる精進湖、森林に囲まれた西湖、広い湖面を持つ山中湖など、それぞれの個性を基準に訪問先を選んでみてください。富士五湖の名前と位置、命名の歴史、湖ごとの違いを知ることが、富士山麓をより深く楽しむ第一歩になります。 (出典: 富士 五 湖(Yahoo!ニュース))