まぐわいとは?意味・語源・漢字を『古事記』と現代語の違いから徹底解説【2026年版】
「まぐわいとは、どのような意味の言葉なのか」「性交を指す古語なのか、それとも目を見合わせることなのか」。辞書やインターネットで調べると、異なる説明が見つかり、戸惑う人も少なくありません。
まぐわいは、古語の「目合ひ」とも表記され、目と目を見合わせて愛情を通わせること、さらに男女が契りを結ぶことや性交を意味する言葉です。『古事記』には、イザナギとイザナミの神話に登場する「美斗能麻具波比(みとのまぐわい)」という表現も見られます。2026年現在、辞書の意味と古典の用例を照らし合わせると、この言葉が持つ複数の意味と、現代語との違いを整理できます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味:「まぐわい」には、目を見合わせて愛情を通わせることと、男女の交わり・性交という二つの意味がある。
- 語源・漢字:「目合ひ」「目合」と表記され、「目合う」「媾う」などの表記も見られる。
- 古事記との関係:イザナギとイザナミの国生み神話に登場し、男女の結びつきや子孫の誕生に関わる表現として用いられている。
【まず結論】まぐわいとは?辞書が示す二つの意味
まぐわいは、現代の日常会話ではあまり使われないものの、日本の古典や国語辞典を読むうえで知っておきたい言葉です。意味を理解するには、単に性交の別称として覚えるのではなく、目を見交わす行為と男女の肉体的な結びつきという、二つの語義を押さえる必要があります。
『精選版 日本国語大辞典』の「目合(まぐわい)」の項目は、第一の意味を「目を見合わせて愛情を通わせること」、第二の意味を男女が契りを結ぶこととして説明しています。小学館の『デジタル大辞泉』でも、「目合ひ」という見出し語に、目と目を見合わせて愛情を通わせることと、男女の交接・性交という二つの意味が掲載されています。
つまり、「まぐわいは性交を意味する」という説明は間違いではありません。しかし、それだけでは本来の語義の広がりを捉えきれません。文章の中で使われている場合は、視線を通じた愛情表現なのか、男女の肉体的な結びつきなのかを、前後の文脈から判断することが大切です。
また、古語の意味と現代の日常語としての使い方は同じではありません。現在の会話で「目が合う」と言えば、通常は視線が交差することを指しますが、「まぐわい」という名詞を使うと、古風な表現や性的な意味を連想させる場合があります。

【漢字と読み方】「目合」「目合ひ」「媾う」の違い
まぐわいの漢字表記として代表的なのが「目合」や「目合ひ」です。現代の辞書では「目合(まぐわい)」という見出しが使われる一方、歴史的仮名遣いでは「まぐはひ」と表記されることもあります。
「目合」という漢字からは、目と目を合わせるという意味を読み取れます。ただし、漢字表記だけで古代の語源や意味の成立過程をすべて説明できるわけではありません。古典では音を表すために漢字を用いることもあり、本文の表記と後世の辞書における表記は区別して考える必要があります。
一方、「媾う」は「まぐわう」と読む表記です。漢字の「媾」には、男女が交わることや縁組みなどに関係する意味があります。ただし、現代の日常文章では一般的な表記とは言いにくく、読み方も含めて説明が必要になるため、通常は「まぐわう」とひらがなで書くほうが伝わりやすいでしょう。
読み方にも注意が必要です。「目合」は「まぐわい」と読まれる一方、「めあい」と読む別の語もあります。『精選版 日本国語大辞典』では、「めあい」に目と目の間や、人が見ていない間という意味も掲載されています。同じ漢字でも読み方によって意味が変わるため、古典の引用や辞書の見出しでは、読み仮名を確認することが欠かせません。
なお、「まぐわい」は名詞で、「まぐわう」は動詞です。辞書的には、まぐわいをすることを「まぐわう」と表現します。語形の違いを押さえておけば、古典の本文や現代の解説文を読み分けやすくなります。
【古事記】イザナギとイザナミの「まぐわい」は何を意味する?
まぐわいを理解するうえで欠かせないのが、日本神話を伝える『古事記』です。『古事記』は712年に成立した古典で、天地の始まりから神々の誕生、国土の形成に至る物語を伝えています。國學院大學の古典文化学事業でも、イザナギとイザナミによる国生みは、神話の主要な場面として解説されています。
物語では、イザナギとイザナミの二柱の神が、天つ神から国土を整えるよう命じられます。二神はオノゴロ島に降り立ち、天の御柱を左右から回って出会う儀式を行い、男女の交わりを通じて国々を生み出そうとします。この場面で登場するのが「美斗能麻具波比」という表現です。
この表記は、現代の漢字で意味をそのまま示したものではなく、音を表すために漢字を用いた表記です。したがって、原文を読む際には「美斗能麻具波比」という文字列と、現代の辞書で「目合ひ」と表記される語義を区別して理解することが重要です。
また、『古事記』には、大国主神と須勢理毘売の出会いに関する場面にも「目合」の語が登場します。『精選版 日本国語大辞典』は、須勢理毘売が大国主神を見て「目合して相婚まして」とする記述を、目を見合わせて愛情を通わせる意味の用例として挙げています。
この二つの用例を並べると、まぐわいの意味を理解しやすくなります。イザナギとイザナミの場面では男女の交わりと国生みが結びつき、大国主神と須勢理毘売の場面では視線を交わすことと愛情、婚姻が結びついています。古典における「まぐわい」は、視線による親愛の表現と男女の結びつきの双方に関係する言葉なのです。
ただし、神話の内容を現代の恋愛観や性に関する価値観にそのまま当てはめるのは適切ではありません。『古事記』の国生み神話では、男女の結びつきは個人的な恋愛だけでなく、国土や神々の誕生を語る物語の一部として描かれています。その文脈を踏まえることで、言葉の意味をより正確に読み取れます。

【語源と意味の変遷】「目合ひ」はなぜ性交を意味するのか
まぐわいの語源を考える際には、まず「目合ひ」という表記に注目できます。辞書が示す第一の意味は、目を見合わせて愛情を通わせることです。目を交わすという行為が、相手への関心や親愛を伝える表現として使われていることが分かります。
そこから男女の結びつきや性交を意味する語義へと広がったことは、辞書に掲載された意味と古典の用例から読み取れます。ただし、「ま」「ぐわい」などの音を現代語の単語に機械的に分解し、その組み合わせだけで語源を確定することはできません。語源を説明する場合は、伝統的な表記の解釈と、辞書で確認できる語義を分けて考える必要があります。
意味の変遷を理解するうえでは、辞書の初出例も参考になります。『精選版 日本国語大辞典』の「目合」では、目を見合わせて愛情を通わせる意味の例として『古事記』上巻が、男女が契りを結ぶ意味の例として『日本書紀』の清寧天皇三年七月の記事が挙げられています。『日本書紀』は720年に成立したとされる歴史書です。
ここで注意したいのは、これらの記録から「ある時点までは視線の意味しかなく、その後に性交の意味が生まれた」と年代順に断定できるわけではないことです。辞書の初出例は、現存する文献などから確認できる用例を示すもので、口頭で使われていた言葉の誕生時期そのものを証明するものではありません。
辞書の語義、古典の用例、表記の違いを整理すると、まぐわいの基本情報は次のようになります。
| 項目 | 意味・用例 | 読み解く際の注意点 |
|---|---|---|
| 目合・目合ひ | 目を見合わせて愛情を通わせること | 「めくばせ」に近い意味で使われる場合がある |
| まぐわい・まぐはひ | 男女が契りを結ぶこと、性交 | 古典では前後の文章から意味を判断する |
| 美斗能麻具波比 | 『古事記』のイザナギ・イザナミの場面に登場する表記 | 音を表す漢字表記であり、現代の「目合」とは書き方が異なる |
| まぐわう・媾う | 男女が交わることを表す動詞 | 「媾う」は一般的な日常表記ではない |
| めあい(目合) | 目と目の間、人が見ていない間など | 「まぐわい」とは読みも意味も異なる語がある |
このように、まぐわいは一つの意味だけに固定された言葉ではありません。視線による愛情表現、男女の契り、性交という語義を持ち、古典の文章ではそれぞれの意味が文脈に応じて現れます。意味の違いを理解することが、語源や歴史を誤解しないための出発点です。
【現代語での使い方】例文と誤解を避けるポイント
現代の日本語で「まぐわい」を使う場面は限られています。一般的な日常会話では、「目が合う」「見つめ合う」「性交する」といった表現のほうが意味を伝えやすく、まぐわいは古典の解説、文学的な文章、古風な語り口などで見かける言葉です。
また、現代では性交を連想させることが多いため、目を見合わせて愛情を伝えるという意味で使うと、意図とは異なる受け取られ方をする可能性があります。意味を説明したい場合は、単語だけを提示するより、どの語義を指すのかを明確にしたほうが誤解を防げます。
例文1:古典の意味を説明する場合
「『古事記』に登場する『美斗能麻具波比』は、イザナギとイザナミの男女の交わりに関係する表現として読まれる。」
この例文では、神話の内容を説明するために用いています。古典の用例を解説する文章であれば、現代の日常会話とは異なる古語の意味を示すことができます。
例文2:辞書の意味を紹介する場合
「『目合ひ』には、目と目を見合わせて愛情を通わせることと、男女の交接という二つの意味がある。」
こちらは、辞書の語義を比較する文章です。二つの意味を並べることで、まぐわいを性交だけの意味に限定して理解する誤りを避けられます。
例文3:現代の文章で意味を説明する場合
「この作品では『まぐわい』という古語が使われているため、前後の描写を読んで、視線による愛情表現なのか男女の交わりなのかを判断したい。」
このように、作品の言葉を解釈する場面では、単語の意味だけでなく、登場人物の行動や物語の展開も手掛かりになります。
なお、Weblioなどの辞書サイトで調べる際も、見出し語「まぐわい」そのものの語義と、関連する性に関する用語の解説を区別して読むことが大切です。掲載元の辞書名や用例まで確認すると、意味の違いを整理しやすくなります。
検索時に特に気を付けたいのは、次の三点です。第一に、性交という意味だけを唯一の正解としないこと。第二に、「目合」を見ただけで必ず「まぐわい」と読むと決めつけないこと。第三に、古典の語義を現代の日常会話でそのまま使える表現だと思い込まないことです。

【まぐわいとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:まぐわいとは、簡単にいうとどんな意味ですか?
A1:目を見合わせて愛情を通わせること、または男女が契りを結ぶことや性交を意味する古語です。どちらの意味になるかは、辞書の定義や文章の文脈によって判断します。
Q2:まぐわいの漢字は「目合」と「媾い」のどちらが正しいですか?
A2:「目合」「目合ひ」は辞書で確認できる代表的な表記です。「媾う」は動詞「まぐわう」の表記として見られますが、現代の日常文章ではひらがなの「まぐわい」「まぐわう」のほうが読みやすい表記です。
Q3:『古事記』のまぐわいは性交を意味するのですか?
A3:イザナギとイザナミの場面に登場する「美斗能麻具波比」は、二神の男女の交わりに関係する表現です。一方、大国主神と須勢理毘売の場面には、目を見合わせて愛情を通わせる意味で「目合」の語が登場します。同じ古典の中でも、文脈を踏まえて読み分ける必要があります。
【プロの結論】まぐわいは辞書・漢字・古典の文脈から読み分ける
まぐわいという言葉を正確に理解するために、最も大切なのは、性交という意味だけに限定せず、視線を通じて愛情を伝えるという語義も押さえることです。『精選版 日本国語大辞典』や『デジタル大辞泉』が示す二つの意味は、古典の用例とも結びついています。
『古事記』のイザナギとイザナミの神話では、男女の交わりが国生みの物語の一部として描かれます。一方、大国主神と須勢理毘売の場面は、目を見合わせて愛情を通わせるという意味を理解する手掛かりになります。二つの用例を比べると、まぐわいという語が持つ意味の幅が見えてきます。
漢字については、「目合」「目合ひ」を代表的な表記として覚え、「媾う」は古風な動詞表記として区別するとよいでしょう。「めあい」という別の読み方や意味もあるため、辞書の読み仮名と用例の確認も欠かせません。
2026年に古語や日本神話を調べる場合も、検索結果の短い説明だけで意味を決めず、辞書の語義と原典の文脈を照らし合わせることが、誤解を避ける確かな方法です。まぐわいは、目を見交わすことと男女の結びつきという二つの側面を持つ言葉です。その両方を理解することで、『古事記』の表現も、現代の日本語との違いも、より正確に読み解けます。 (出典: まぐ わい と は(Yahoo!ニュース))