警察官階級の順番を2026年版で解説!9階級と役職・給料・昇任の仕組みを徹底解剖
警察官の階級は、警察組織における指揮命令系統や責任の範囲を理解するための基本知識です。警察法で定められた階級は9種類あり、最下位の巡査から警視総監まで、それぞれ異なる役割を担っています。ただし、現場で使われる「巡査長」や、警察組織のトップとして知られる「警察庁長官」は、階級制度を理解するうえで注意したい存在です。
2026年10月時点の制度を踏まえ、警察官階級の順番と一覧、階級ごとの役職・仕事内容、給料や年収の目安、キャリアとノンキャリアの昇任の違いを整理します。警視正以上が国家公務員となる仕組みや、警視庁と各都道府県警で役職との対応が異なる理由も解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 階級は9種類:警察法第62条に定められた正式な階級は、巡査から警視総監までの9階級。
- 巡査長と警察庁長官は別扱い:巡査長は正式な階級ではなく、警察庁長官も9階級の序列には含まれない。
- 階級と役職・給料は別の仕組み:階級だけで警察署長などの役職や年収が一律に決まるわけではなく、採用ルートや勤務先、昇任状況なども関係する。
【結論】警察官階級の順番は?警察法で定められた9階級を一覧で解説
警察官階級の正式な順番は、上位から「警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査」です。
根拠となるのは、警察法第62条です。同条は「警察官(長官を除く。)」の階級として9種類を規定しています。つまり、階級の数を数える際には、巡査長や警察庁長官を正式な階級に加えないことが重要です。
- 警視総監:警視庁のトップを担う階級
- 警視監:警察組織の上級幹部が就く階級
- 警視長:警察本部などの幹部級で活躍する階級
- 警視正:警察署長や警察本部の幹部などを担う階級
- 警視:警察署長や警察本部の課長級などに就くことがある階級
- 警部:警察署の課長級など、組織の中核を担う階級
- 警部補:係や現場チームの指揮・管理を担う階級
- 巡査部長:現場活動の中心となり、後輩の指導にも当たる階級
- 巡査:交番勤務やパトロールなど、警察活動の最前線を担う階級
この順番は全国共通です。警視庁でも北海道警察でも大阪府警察でも、正式な階級制度そのものは変わりません。一方、警察署長や課長といった役職は、組織の規模や人事配置によって異なります。
また、階級は単なる肩書ではありません。警察法第63条は、警察官が上官の指揮監督を受けて警察の事務を執行することを定めています。階級制度は、事件対応や警備活動などで指揮命令系統を明確にし、組織として迅速に動くための基盤です。

【役職と仕事内容】警察官の9階級は現場から幹部までどう違う?
階級が上がるにつれて、担当する仕事は個別の事件対応から、部門の管理、組織全体の運営へと広がっていきます。ただし、上位の階級になれば現場業務を一切しなくなるというわけではありません。専門分野や配置先によって、実際の仕事は変わります。
以下は、警視庁や各都道府県警察で見られる役職との一般的な対応例です。法律で一律に定められた対応表ではなく、同じ階級でも所属先や組織規模によって役職が異なる点に注意してください。
| 階級 | 主な役職の例 | 仕事内容・責任の範囲 |
|---|---|---|
| 警視総監 | 警視庁のトップ | 警視庁の事務を統括し、首都の治安維持や組織運営を指揮する。 |
| 警視監 | 警察庁・警察本部などの上級幹部 | 広域的な警察行政や大規模組織の運営、重要施策の調整を担う。 |
| 警視長 | 警察本部長・本部部長などの幹部級 | 警察本部や警察庁などで、部門の運営や重要案件の指揮を担う。 |
| 警視正 | 警察署長・警察本部幹部など | 警察署や本部の運営を統括し、管轄地域の治安対策を指揮する。 |
| 警視 | 警察署長・警察本部課長など | 担当組織の管理、事件・事故への対応、職員の指導を行う。 |
| 警部 | 警察署の課長など | 刑事・交通・生活安全などの部門をまとめ、捜査や業務の進行を管理する。 |
| 警部補 | 係長・現場指揮担当など | 捜査チームや交番勤務などの現場を管理し、部下への指示や指導を行う。 |
| 巡査部長 | 主任・現場のリーダーなど | 事件対応や捜査の実務を担いながら、後輩の指導や業務の調整を行う。 |
| 巡査 | 交番勤務員・捜査担当者など | パトロール、住民対応、事件・事故の初動対応、捜査などを担当する。 |
警察庁の採用案内でも、警部や警視などの段階では、警察署や警察本部での実務に加え、警察庁での政策立案や管理業務など、担当する仕事の幅が広がることが示されています。
ここで押さえたいのは、階級は組織内の地位、役職は実際に担当するポストだという違いです。例えば、警察署長は役職名であり、独立した階級ではありません。警察署長に就く警察官の階級も、署の規模や人事配置によって異なります。
【よくある誤解】巡査長と巡査の違い、警察庁長官と警視総監の関係
警察官階級を調べると、正式な9階級以外にも「巡査長」や「警察庁長官」という名称が登場します。どちらも警察組織を理解するうえで重要ですが、正式な階級と同じ扱いにはできません。
巡査長は正式な階級ではない
巡査長は、警察法第62条に列挙された9階級には含まれていません。「巡査長に関する規則」に基づき、実務経験や勤務成績、指導力などを踏まえて選考される職名です。
巡査長は巡査として勤務しながら、同じ職場の巡査に対する実務指導や勤務上の調整などを担います。経験を積んだ現場のリーダーに近い役割です。
巡査と巡査長の違いは、単純に階級が一段上がるということではありません。巡査長は正式な階級ではなく、巡査部長への昇任とも別の制度です。警察官の序列を正確に整理するときは、この点を区別する必要があります。
警察庁長官は9階級の頂点ではない
警察庁長官は、警察庁という国の警察行政機関の長です。警察法第16条に基づき、警察庁の事務を統括し、所掌事務について都道府県警察を指揮監督します。
一方、警視総監は警視庁の長であり、警察法に定められた正式な階級でもあります。両者は名前が似ていても、所属する組織と制度上の位置付けが違います。
- 警察庁長官:国の警察行政機関である警察庁のトップ。9階級の序列には含まれない。
- 警視総監:警視庁のトップであり、警察法上の最高位の階級。
警察庁長官は「警視総監より一つ上の階級」といった形で整理することはできません。警察庁長官は職位、警視総監は職位であると同時に正式な階級という、制度上の違いがあるためです。
なお、警視総監は東京都の警視庁に置かれる特別な階級です。道府県では警察本部長が組織を統括しますが、警視総監という階級が各道府県に置かれているわけではありません。
【2026年の給料・年収】警察官の階級が上がると収入はどう変わる?
警察官の給料は、階級だけで一律に決まるわけではありません。都道府県警察に勤務する警察官の給与は、原則として各都道府県の給与制度に基づき、勤務年数、職務、昇任、各種手当などによって決まります。
警察庁の都道府県警察官採用案内は、警察官が地方公務員として勤務し、勤務年数や成績、昇任に応じて昇給する仕組みを説明しています。基本給に加えて、地域手当、住居手当、扶養手当、通勤手当、時間外勤務手当、特殊勤務手当などが収入に影響します。
警視庁の2026年度採用情報に見る給与例
令和8年度の警視庁採用サイトが公表する警察官の給与例では、初任給はⅠ類採用者が月額32万1,900円、Ⅲ類採用者が月額27万9,400円です。いずれも2026年1月1日現在の情報で、地域手当20%を含みます。
同サイトの実務2年目の年収モデルは、Ⅰ類採用者が657万4,400円、Ⅲ類採用者が604万5,700円です。給料月額と地域手当に加え、年間おおむね4.90か月分の期末・勤勉手当などを含むモデルケースとして示されています。
一方、新潟県警察が公表した2026年4月1日採用予定者の給与例では、地域手当を含む初任給は警察官A(大卒)が月額27万6,558円、警察官B(大卒以外)が月額24万4,441円です。期末・勤勉手当は年間で基本給の4.65か月分とされています。
このように、採用区分や勤務地が違えば、初任給や賞与の条件にも差が生じます。警視庁の年収モデルを、そのまま全国の警察官の平均年収と考えるのは適切ではありません。
階級別の年収は一律に決められているのか
警部や警視などに昇任すれば、一般に職責が増し、給与上の昇格にもつながる可能性があります。ただし、警部なら年収いくら、警視なら年収いくらという全国共通の固定額があるわけではありません。
実際の年収を判断するときは、次の点を確認する必要があります。
- 勤務する都道府県と適用される給与条例
- 階級だけでなく、給与上の職務の級や勤続年数
- 地域手当や住居手当などの各種手当
- 交替制勤務、時間外勤務、特殊勤務の有無
- 期末・勤勉手当の支給条件と、その年度の給与改定
国家公務員についても、給与は俸給と諸手当から構成され、人事院が民間給与との均衡などを踏まえて制度を運用しています。2026年の給与を確認する場合も、採用年度や適用時点が明記された公式資料を基準にすることが大切です。
【昇任の仕組み】キャリアとノンキャリアはどこが違う?警視監への道も解説
警察官の昇任は、採用された時点の区分だけで一生の階級が固定される仕組みではありません。警察庁の採用案内によると、警察官の昇任には試験によるものと、勤務成績や勤務年数などを踏まえた選考によるものがあります。
巡査から上位階級へ進む一般的な流れ
都道府県警察に採用された警察官は、原則として巡査からスタートします。その後、勤務経験を積み、昇任試験や選考などを経て、巡査部長、警部補、警部、警視といった上位の階級を目指します。
警察庁の都道府県警察官採用案内では、最初の昇任試験を受ける目安について、大学卒業者は採用後おおむね2年、それ以外の学歴の採用者はおおむね4年と説明しています。ただし、これは受験資格を得るまでの目安であり、全国一律の昇任時期や合格保証を示すものではありません。
神奈川県警察の採用Q&Aでも、巡査部長、警部補、警部までは競争試験や勤務成績・能力を審査する選抜・選考による昇任の道が示されています。警視以上は選考による昇任とされ、受験資格に必要な勤務年数も学歴や階級によって異なります。
キャリアとノンキャリアの違いは採用ルートと人事配置
一般に「キャリア」と呼ばれるのは、国家公務員として警察庁に採用され、幹部候補として育成される警察官です。一方、「ノンキャリア」は、主に都道府県警察の採用試験を経て、現場から経験を積む警察官を指します。
- キャリア:警察庁での政策立案や全国的な警察行政、都道府県警察との人事交流などを通じて、幹部候補として幅広い経験を積む。
- ノンキャリア:交番勤務や捜査などの現場経験を重ね、昇任試験や選考を経て、現場のリーダーや管理職、さらに上位の階級を目指す。
違いは、単純な能力の優劣ではありません。採用区分、初期の配置、昇任の仕組み、人事異動の経路などに違いがあることが、昇任のスピードや到達する役職の傾向に影響します。
警察庁や都道府県警察の採用案内は、昇任について、学歴や性別などにかかわらず、試験や勤務成績を踏まえて決定する仕組みを説明しています。ただし、キャリアとノンキャリアでは採用後の育成経路が異なるため、同じ年数で同じ階級に到達するとは限りません。
警視監への昇任はどのように決まる?
警視監は、正式な9階級のうち上から2番目に位置する上級幹部の階級です。警視総監とは異なり、警察庁や各都道府県警察の上級幹部などが就く階級であり、誰もが一定の勤続年数に達すれば昇任できるわけではありません。
上位階級への昇任では、勤務実績、能力、これまでの職務経験、組織の人事配置などが関係します。警視正以上の幹部については国家公務員としての人事制度も関係するため、巡査から警部補へ昇任する場合と同じ感覚で昇任経路を考えることはできません。
警察官階級を解説する資料では、高卒でノンキャリアとして採用され、警視監にまで昇任した例も紹介されています。これはノンキャリアから上級幹部への道が制度上閉ざされているわけではないことを示す一方、例外的な経歴を一般的な昇任モデルと混同すべきではないことも示しています。
重要なのは、キャリアかノンキャリアかという呼び方だけで、最終的な階級や能力を断定しないことです。昇任制度の枠組みと、実際の人事運用の傾向を分けて理解する必要があります。
【制度の実態】警視正以上は国家公務員?警視庁と各都道府県警の違い
警察官階級を理解するうえで見落とされやすいのが、地方公務員と国家公務員の区分です。都道府県警察の警察官は基本的に地方公務員ですが、警視正以上の階級にある警察官は、警察法第56条により「地方警務官」として一般職の国家公務員に位置付けられています。
警視正以上が国家公務員となる理由
都道府県警察は、各都道府県の区域で警察活動を担います。一方、警察庁は全国的な警察行政を担い、広域組織犯罪への対応や警察活動の調整などを行います。全国の警察組織としての一体性を保つため、都道府県警察の上級幹部には国家公務員制度が適用されています。
ここでいう「地方警務官」は、地方自治体に勤務しているのに国家公務員という、制度上の特徴を持つ警察官です。地方公務員として採用された警察官が警視正以上に昇任した場合も、同じ区分の制度が適用されます。
ただし、これは単純に昇任試験に合格した瞬間にすべての人事手続きが自動的に完了するという意味ではありません。警察法第55条には、警視正以上の警察官の任免について、国家公安委員会と都道府県公安委員会が関わる仕組みも定められています。
警視庁の階級と役職は全国共通ではない
警視庁は東京都の警察組織であり、警察庁とは別の組織です。警察庁が国の警察行政を担うのに対し、警視庁は東京都内の治安維持や犯罪捜査、交通取締りなどを担います。
警視庁では、警視総監が組織を統括します。道府県警察では、それぞれの警察本部長が組織を統括する仕組みです。警察庁の組織案内でも、警視庁と道府県警察本部は別の組織として整理されています。
また、警察署長や警察本部の課長といった役職は、全国で完全に同じ階級に対応しているわけではありません。警察署の規模、事件・事故の発生状況、組織編成、人事配置などによって、同じ役職を担う警察官の階級が異なる場合があります。
例えば、警察署長という役職だけを見て、その人物が必ず警視正だと判断することはできません。警視庁の階級と役職の対応表を読む場合も、特定の組織における一般的な配置例なのか、法律で定められた事項なのかを区別する必要があります。
2026年現在も、正式な9階級という法制度と、各警察組織の役職配置は別の仕組みとして運用されています。制度の基本部分を押さえたうえで、各都道府県警察が公表する組織図や採用案内を確認すると、階級と役職の関係をより正確に理解できます。
【警察官階級】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:警察官の階級は全部で何種類ありますか?
A1:警察法第62条に定められた正式な階級は9種類です。警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査の順に上位から並びます。巡査長は正式な階級には含まれません。
Q2:巡査長と巡査部長はどちらが上ですか?
A2:巡査長は正式な階級ではなく、巡査として勤務しながら実務指導などを担う職名です。巡査部長は警察法に定められた正式な階級です。そのため、巡査長を巡査部長の一つ下にある正式な階級として数えるのは正確ではありません。
Q3:警察庁長官は警視総監より上の階級ですか?
A3:警察庁長官は警察庁のトップという職位であり、警察法第62条の9階級には含まれません。警視総監は警視庁のトップであり、正式な階級でもあります。両者は所属組織と制度上の位置付けが異なるため、単純な階級の上下では比較できません。
Q4:警察官は何年で警部や警視になれますか?
A4:全国共通の年数はありません。採用区分、勤務経験、昇任試験や選考の結果、勤務成績などによって異なります。警察庁の採用案内では、最初の昇任試験を受ける目安として、大卒者はおおむね2年、それ以外はおおむね4年とされていますが、これは警部や警視への昇任時期を示すものではありません。
Q5:警視正以上の警察官はなぜ国家公務員なのですか?
A5:警察法第56条により、都道府県警察の警視正以上の警察官は「地方警務官」として一般職の国家公務員に位置付けられています。全国的な警察組織の一体性を確保するため、上級幹部には特別な人事制度が適用されています。
まとめ:【プロの結論】警察官階級を正しく理解するための判断基準
警察官階級を正しく理解するには、まず警察法で定められた9階級の順番を押さえることが出発点です。巡査から警視総監までの階級は全国共通ですが、巡査長は正式な階級ではなく、警察庁長官も9階級の序列には含まれません。
次に重要なのが、階級と役職を区別することです。警察署長や課長は役職であり、階級との対応は警察組織の規模や人事配置によって変わります。警視庁の役職対応を全国の警察にそのまま当てはめると、実際の組織運営を誤って理解するおそれがあります。
給料や年収についても、階級だけを見て金額を断定することはできません。2026年の警視庁や新潟県警察の採用情報が示すように、給与は採用区分、勤務地、地域手当、賞与などによって異なります。正確な金額を知りたい場合は、勤務先の警察が公表する最新の給与情報を確認するのが確実です。
キャリアとノンキャリアの違いも、単なる能力の優劣ではなく、採用ルートや人事配置、昇任制度の違いとして捉える必要があります。さらに、警視正以上には国家公務員制度が適用されるなど、上位階級では人事の仕組みも変わります。
警察官階級を読み解く際の判断基準は、「正式な階級か」「実際の役職は何か」「どの組織に所属しているか」の3点です。この区別を意識すれば、警察組織のニュースや人事発表、刑事ドラマなどに登場する階級・役職の意味も、より正確に把握できます。 (出典: 警察 官 階級(Yahoo!ニュース))