カーリングの「もぐもぐタイム」はなぜ必要?正式名称や休憩時間の秘密とおやつ一覧を徹底解説
氷上のチェスと称されるカーリング中継で、選手たちが車座になって果物やスイーツを頬張る姿はお馴染みの光景となりました。日本中を沸かせた2018年平昌五輪で女子日本代表(当時の愛称・LS北見/現ロコ・ソラーレ)が見せたシーンをきっかけに定着した「もぐもぐタイム」という言葉ですが、単なる微笑ましいお茶の時間ではありません。
2026年を迎えた現在も日本カーリング選手権大会をはじめとする公式戦で欠かせない重要な戦術的要素として機能しています。なぜ過酷な試合中にわざわざ栄養補給を行うのか、その正式名称やルール上の仕組み、そして試合の勝敗を分ける真の理由を専門的な視点から紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「もぐもぐタイム」の正式名称は第5エンド終了後に設けられた「デッドタイム(7分間のハーフタイム休憩)」である。
- 要点2:2時間を超える長丁場と氷点下の過酷な環境下で激しく消耗する「脳の糖分」と「筋エネルギー」を急速補給するための必須行動である。
- 要点3:ロコ・ソラーレのイチゴや赤いサイロをはじめ、選び抜かれた補給食の摂取と氷の状況を読む作戦会議が勝敗を大きく左右する。
【真相解明】カーリングの「もぐもぐタイム」はなぜ必要?勝敗を分ける科学的理由
カーリングの試合時間は通常10エンドで行われ、トータルで2時間を優に超える長丁場となります。極限の集中力を保ちながら氷の状態を読み、1ミリ単位のストーンコントロールを要求されるため、選手たちの脳は尋常ではない量のブドウ糖を消費し続けます。
さらに競技の特性上、スイーパー(ブラシで氷を掃く選手)は1試合あたり数キロメートルを全力ダッシュしているのと同等の心拍数と筋活動量を記録します。冷え切ったリンク上で体温を維持しつつ、身体のエネルギー切れ(シャリバテ)や脳の思考力低下(ブレインフォグ)を防ぐために、試合途中の糖分補給は勝利に向けた絶対条件なのです。

【ルール上の仕組み】正式名称は「デッドタイム」!第5エンド後の7分間に隠された攻防
ファンやメディアの間で親しまれている「もぐもぐタイム」はネットスラング発祥の俗称であり、カーリング競技規則における正式な位置づけは「デッドタイム」、あるいは「ブレイク(ハーフタイム休憩)」と呼ばれます。
この時間は全10エンドのうち折り返し地点となる第5エンド終了後に7分間(大会規則により5分から7分程度)設定されています。時計の計測が完全に停止するこの時間帯は、単におやつを食べるだけでなく、コーチがベンチから直接ストーンの配置エリアに合流できる極めて貴重な作戦会議の場となっています。
前半5エンドで変化した氷の滑り具合(アイスリーディング)のデータ突き合わせや、後半戦に向けた投球プランの修正など、極めて高度な戦術的議論がその数分間に凝縮されています。
【歴代名物おやつ一覧】平昌五輪の赤いサイロから日本選手権まで!選手が選ぶ勝負飯
歴代のカーリング女子日本代表やトップチームが選んできた補給食には、素早い消化吸収と機能性を兼ね備えた明確な意図が存在します。平昌五輪で銅メダルを獲得したLS北見が口にして社会現象となった北海道銘菓をはじめ、国内主要大会で登場した代表的なおやつを整理しました。
| 大会・時期 | 代表チーム/選手 | 主な補給食(おやつ) | 補給の狙い・特徴 |
|---|---|---|---|
| 2018年 平昌五輪 | LS北見(現ロコ・ソラーレ) | 赤いサイロ(チーズケーキ)、イチゴ | 瞬発的な糖分補給とビタミン補給、地元銘菓によるリフレッシュ効果 |
| 2022年 北京五輪 | ロコ・ソラーレ | バナナ、ゼリー飲料、羊羹、みかん | 咀嚼の負担を減らした高効率グリコーゲン補給と素早いエネルギー化 |
| 日本カーリング選手権大会 | 各出場チーム | ドライフルーツ、エナジージェル、ナッツ類 | 血糖値の急乱高下を防ぎ、安定した集中力を後半5エンド維持する設計 |
報道各社の現場取材や関係者の証言によると、選ばれる食品は単なる好みではなく、「噛むことで脳を覚醒させる咀嚼効果」と「血糖値を急激に上げすぎない吸収スピード」が綿密に計算されています。

【チームワークの要】笑顔の裏にある緻密な作戦会議とメンタルマネジメント
もぐもぐタイムの映像を見ると、選手たちが笑顔で談笑しながらリラックスしているように映ります。しかし、このリラックスした空気づくりそのものが、メンタルスポーツであるカーリングにおける高度な心理戦略です。
失投のプレッシャーや張り詰めた緊張感を一度リセットし、全員がフラットな立場で後半戦の戦術を共有するために、糖分を摂取しながら言葉を交わす時間はポジティブな意思疎通を促す触媒となっています。張り詰めた空気を和らげつつ、戦況を冷静に分析し直す切り替えのスイッチとして機能しているのです。
【情報を見極める判断基準】カーリング観戦が10倍面白くなるチェックポイント
テレビ中継や配信でデッドタイムを観戦する際、単に「何を食べているか」を見るだけでなく、以下のポイントに注目することで勝負の趨勢をより深く読み解くことができます。
まず注目すべきは「選手間の発話量とコーチの表情」です。後半のエンドを有利に進めるためのプランが明確に定まっているチームは、短い言葉のキャッチボールで意思統一を完了させます。逆に作戦が煮詰まっていない場合は議論が紛糾し、後半の立ち上がりに影響が出やすくなります。
また、固形物をしっかり噛んでいるのか、あるいは素早く飲めるゼリー系を中心にしているのかによっても、選手個々の疲労度や胃腸への負担を読み取ることが可能です。
【カーリングもぐもぐタイム】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:もぐもぐタイムは男子のカーリングの試合でも行われているのですか?
A1:男子の試合でもルール上全く同じ「デッドタイム」が第5エンド終了後に設けられています。男子選手も同様にバナナやエナジージェル、サプリメントなどを摂取して後半戦に備えていますが、女子ほどメディアで大々的にクローズアップされる機会が少なかったという背景があります。
Q2:試合中に食べるものは選手が自分たちで用意して持ち込んでいるのですか?
A2:基本的には各チームや選手自身が準備して持ち込んでいます。大会によっては主催者側が果物などを控室に用意するケースもありますが、胃腸への適合性やドーピング防止の観点から、普段から食べ慣れている補給食を管理栄養士やトレーナーと相談の上で持参するのが一般的です。
Q3:もぐもぐタイム以外の時間(競技中)にも飲食はできるのでしょうか?
A3:自チームの待ち時間やタイムアウトの際にも、リンク脇のベンチで水分補給や一口サイズのサプリメントを摂取することは認められています。ただし、ゆっくり座ってまとまった補給や作戦会議を行えるのは第5エンド終了後のデッドタイムのみです。
まとめ:氷上のチェスを支える7分間の機能美
「もぐもぐタイム」という親しみやすい愛称で世に広まった7分間のデッドタイムは、過酷なフィジカル消耗と緻密な頭脳戦が交錯するカーリング競技において、極めて合理的な必然性を持って設計されたシステムです。
氷のコンディションを見極めるアイスリーディング、張り詰めたメンタルのリセット、そして後半を戦い抜くためのエネルギー補給。次にカーリングを観戦する際は、選手たちが口にする補給食とその背後で繰り広げられる研ぎ澄まされた作戦会議にぜひ注目してみてください。 (出典: カーリング もぐもぐ タイム(Yahoo!ニュース))